出荷時の「入り数不足クレーム」を防ぐには?

電子部品の出荷・納品で避けたいのは、入り数不足です。クレームになるだけでなく、原因究明のための作業や在庫の数え直しなどの手間が発生してしまいます。手作業や目視での検品では、リールのばらつきや疲労・集中力低下、手書きや手入力、思い込みが原因となりカウントミスが起こるリスクをゼロにすることは困難です。

そこでチェックしたいのが、リールや袋を開封せずに高い精度でカウントできるX線チップカウンターです。ここでは、X線チップカウンターで入り数不足を防ぐためのポイントや注意点について解説します。

なぜ起きる?電子部品の「入り数不足クレーム」や数え間違いの原因

まず考えられる原因としては、現場のヒューマンエラーが挙げられます。カウント作業を繰り返すことによる集中力の低下や疲労が原因でカウントを飛ばしたり二重に数えたりするミスが起こったり、作業の途中での電話や声掛けで作業が中断したことによりどこまで数えたか分からなくなったりするケースもあります。

極小のチップ部品がリール包装になっていると中が見えませんが、基本的に開封できないため内部を実際に見て確認することができません。また、防湿袋に入っている部品も外から見て確認できないためラベルに書かれた理論上の数量を信じざるをえません。

また、同じ部品でも製品ごとに個体差があり、秤で計測した際にズレが生じてカウントミスが起こることがあります。バラやボール、ケースなどの単位表記を混同することも、カウントミスの原因です。

ダブルチェックや秤(重量計)による現場対策とその限界

入り数不足クレームを防ぐために、多くの現場では複数人によるダブルチェックや電子天秤による検品などの対策を行っていますが、対策を重ねてもミスが減らない現実もあります。ここでは、既存の対策や重量測定の限界について解説します。

現場でできる対策は人に依存しがち

ヒューマンエラーを防ぐための対策として、計数作業を複数人で行うダブルチェックや指差し呼称の徹底が挙げられます。また、計量する際の誤差を最小化するために定期的な秤の公正、似た品番や外見の電子部品を近くに置かないなどの工夫、部品の混入や重なりを防ぐための作業環境の整理なども対策となります。

ただし、これらの対策を行うのはあくまでも現場の作業員である「人」であるため、注意力や確認手順に依存することとなり完全にミスをゼロにすることは難しいでしょう。

重量測定(電子天秤)は単重誤差によるカウントズレが起こる

秤に部品を載せて重量から個数を逆算するのは一般的なカウント方法ですが、電子部品にも微細な個体差がありカウントがズレてしまう恐れがあります。

また、リール材や防湿アルミバッグ・ラベルも風袋重量がロットごとにわずかな差があり、その個体差が極小チップ1個の重さを上回ってしまうと重量計で正確な入り数判定ができません。

1リールの計数に数分単位の時間がかかってしまう

物理的に巻き直しながらカウントする場合、カウントに数分単位の時間がかかって効率が悪く全数検査に対応できないことがあります。また、リール品の開封・まき直しは静電気の発生や部品脱落リスクがありますし、紛失やひび割れが起こす恐れもあります。

未開封で正確にカウント!「X線チップカウンター」の基礎知識

袋を開封できずに中身が見えないリール品は正確に数量をカウントするのが困難ですが、その課題を解決できるのがX線チップカウンターです。ここでは、X線チップカウンターの基本情報と導入のメリットを紹介します。

X線チップカウンターとは

X線チップカウンターは、X線技術とAIの画像処理技術を組み合わせて電子部品の数量を自動計測できるシステムです。袋に入った状態やリールに巻き取られた状態でもX線が外装を透過して内部の部品を撮影し、正確な入り数を非接触でカウントします。

導入による3大メリット

  • 1ルール数秒の超高速計測を実現
    従来は1リールで数分かかっていた計測が数秒で終了できるため、棚卸しや検品工数を大きく削減可能、省力化人手不足解消に繋がる
  • 非破壊・非開封で計測できる
    防湿アルミ袋やキャリアテープを開封せずに非接触・非破壊でカウントできるため、テープのまき直し時に発生する静電気による回路破壊や部品の脱落、物理的摩擦によるひび割れリスクを大きく軽減できる
  • トレーサビリティを確保できる
    バーコードリーダーや在庫管理システムと連携してカウントした結果や計測日時を検査画像と一緒に保存することで入り数のクレーム発生時にも客観的な証拠を提示することができる

X線チップカウンターの導入時のポイント

X線チップカウンターを現場で安定して運用するためには、導入前に機器の仕様を確認することが必須です。自社の取り扱い部品やシステムに合うかどうか、以下のポイントをチェックしましょう。

  • 対応サイズ(最小チップと最大リール径)
    自社が取り扱う最小の部品サイズに対応しているかということと共に、最大リール直径や複数リールの一括計測が可能かどうかも要確認
    JEDECトレイへの対応や、短くカットされた端数カットテープへの対応についても確認しておくと良い
  • AI学習機能・未知の部品への対応力
    新規格のチップや特殊形状の部品でもAIの学習機能が搭載されていれば透過画像を複数学習させるだけで自動計測できるようになり、品種追加時の登録・設定負担を軽減できる
  • 自社システムやラベルプリンターとの連携
    誤出荷防止を防ぐため、X線チップカウンターの計測結果を自社の製造実行システム(MES)や在庫管理システム(ERP)とスムーズに連携できるかを確認
    自動でバーコードラベルを発行できるか出荷指示書と照合できるかも要チェック

未開封で瞬時に計測できるX線チップカウンターは誤出荷対策に有効

中身が見えない部品のカウントを手作業や重量計で行うにはヒューマンエラーや単重誤差、部品脱落や破損リスクなどカウントの限界があります。入り数不足クレームをなくして作業効率を上げるために、X線による自動計数へ移行を検討しましょう。

X線チップカウンターを使えば、完全非破壊で高速での自動計測が可能です。導入前には、自社の部品に対応できるかどうか仕様を確認するだけでなく、サンプル機でのデモ測定を含めて資料請求や見積もりを比較・検討することが大切です。このサイトでは計測対象別のおすすめ製品を紹介しています。ぜひ参考にしてください。

         
計測対象で選ぶ
X線チップカウンター
おすすめ3選早見表

カウント速度を向上し業務効率化に大きく貢献するおすすめのX線チップカウンターをご紹介します。

▼左右にスクロールできます▼
             
大量の部品を扱い
計測数が多い企業なら
高さがあるリールの
計測が必要な企業なら
大型部品の製造が
中心の企業なら
企業名/製品名 スピーディーなカウントと
簡単な操作

KnK
HAWKEYE2000
X線チップカウンターHAWKEYE2000

画像引用元:KnK公式(https://knk-kk.jp/product/parts-mgmt/product-52/)

計測部の自動昇降で
高い部品に対応

シンアペックス
XQuik III
XQuik III

画像引用元:シンアペックス公式(https://shinapex.co.jp/news/denshi/product/xquik/xquik-iii/)

17インチ直径の
大きなリールへ対応

アルファエレクトロニクス
Assure
Ⅹ線部品カウンターAssure

画像引用元:アルファエレクトロニクス公式(https://alphacorpjp.com/product/assure/)

精度 99.9% 99%以上 99.9%
カウント速度 6秒+出し入れ2秒 数秒 約10秒
対象
サイズ
最小部品(0402)対応可
リールサイズ:7~15インチ
最小部品(0402)対応可
撮像エリア:400 x 400 mm
(リールステージ自動昇降)
最小部品(0402)対応可
リールサイズ:~17インチリール
装置
サイズ
900(W) x 1,310(D) x1,940(H) mm 1,000(W) x 1,080(D) x 2,340(H) mm 870(W) x 890(D) x 2,250(H) mm
重量 650kg 1,030kg 360kg
事前登録 リール、部品共に不要 - 不要(セルフティーチング)
操作性初心者でも1時間半程度で習得できる - タッチパネルによる操作で簡単、見やすい