X線チップカウンターを用いた棚卸しプロセス

X線の照射で透過イメージを解析、計数するX線チップカウンターは、棚卸に活用することもできます。ここでは、X線チップカウンターを使った棚卸プロセスについて解説します。

X線チップカウンターを用いた棚卸しプロセスとは?

X線チップカウンターを用いた棚卸は、トレイにリールを置いてスイッチを押すだけで部品数をカウントできるので、工数やコストを削減できます。誰でも同じ結果を出せますし、ルーズリール、カット品、パック品、ドライパック、袋入りのままなど様々な状態でも迅速に計測できます。棚卸をするための手順を以下で説明します。

棚卸し計画の立案と準備

まずは、棚卸対象となるリール、作業範囲を決めます。このとき、棚卸チームの役割分担を明確にし、作業責任者と手順をしっかり決めておくことが大切です。

X線チップカウンターは誰でもできる操作ですが、人手の作業でミスが起きないように手順、記入方法を統一しておきます。もし手での記録を行う場合は、読み間違いや手入力ミスが起こらないよう、1・7、0・6などの数字の書き方を決めておくのも良いでしょう。

リールをセット

棚卸対象となる電子部品リールをX線チップカウンターにセットします。機種にもよりますが、4つのリールを同時にセットして計測できます。

リールをばらさず計測できますから、部品の破損、欠落を防止できます。また、部品同士が密着していてもサイズや位置から正しい個数を計数できます。

自動カウントの実行

ボタンや画面を操作すると、計測がスタートします。X線チップカウンターはX線と画像解析によってリール内部の部品を壊すことなく棚卸ができます。

自動部品計測では、登録されていない部品も自動で認識・ティーチングして計測でき、次回計測時もそのティーチングデータが活用されます。99.9%以上の高精度で、1リール当たり6~10秒程度、4リールでも20秒程度でスピーディーに計測が行えます。

計測データの取得と出力

計測した結果は自動でCSVやTEXT形式で出力されるものもあり、標準搭載されているラベルプリンターで出力したシールをリールに貼り付けることもできます。

また、バーコードリーダーと連携させてチップカウント後の作業日、部品名や数量データを蓄積することもできます。カウントミスや貼り付けミスが防げるため、棚卸を効率よく行うことができます。

データ連携と在庫管理

出力データをERPやMESなどの部材管理システムと連携させることもできます。リアルタイムで在庫情報を把握して各保管場所の在庫状況を可視化し、過不足を防ぐことができます。システムとの連携により在庫をデジタル管理できます。

安全対策

X線チップカウンターは放射線を使って計測するので、放射線漏れ防止が重要です。遮蔽構造にする、万が一のときに装置が自動停止する二重安全システム、ドアが開いたときにはX線照射がストップするドア用ライトカーテンセンサーなどを用意し、オペレーターの安全を確保しましょう。

装置を正常に動作させるために、定期的な保守点検も重要です。

棚卸し完了・管理

棚卸完了後は、計測した数値を自動でデータ化できるシステムと連携していればそれで管理することもできますが、別の在庫管理台帳を使っている場合は計測や出力したデータから更新します。

X線チップカウンターを使った棚卸は時間と手間を大幅に削減できますし、人員コストの削減も可能です。

X線チップカウンターの棚卸プロセスは簡単で正確、スピーディー

X線チップカウンターを使った棚卸は高速・高精度で誰でも簡単に行うことができ、非破壊をすることなく部品計測ができるため効率もアップします。自動でデータ出力もでき、既存のERP/MESシステムと連携すれば在庫管理もリアルタイムで行えるようになります。

放射線を使うので安全対策が必須ですが、自動計測で人為的なミスが削減できるのは大きなメリットです。手作業による棚卸よりも効率アップ、コスト削減が実現できます。

         
計測対象で選ぶ
X線チップカウンター
おすすめ3選早見表

カウント速度を向上し業務効率化に大きく貢献するおすすめのX線チップカウンターをご紹介します。

▼左右にスクロールできます▼
             
大量の部品を扱い
計測数が多い企業なら
高さがあるリール
計測が必要な企業なら
大型部品の製造
中心の企業なら
企業名/製品名 スピーディーなカウントと
簡単な操作

KnK
HAWKEYE2000
X線チップカウンターHAWKEYE2000

画像引用元:KnK公式(https://knk-kk.jp/product/parts-mgmt/product-52/)

計測部の自動昇降で
高い部品に対応

シンアペックス
XQuik III
XQuik III

画像引用元:シンアペックス公式(https://shinapex.co.jp/news/denshi/product/xquik/xquik-iii/)

17インチ直径の
大きなリールへ対応

アルファエレクトロニクス
Assure
Ⅹ線部品カウンターAssure

画像引用元:アルファエレクトロニクス公式(https://alphacorpjp.com/product/assure/)

精度 99.9% 99%以上 99.9%
カウント速度 6秒+出し入れ2秒 数秒 約10秒
対象
サイズ
最小部品(0402)対応可
リールサイズ:7~15インチ
最小部品(0402)対応可
撮像エリア:400 x 400 mm
リールステージ自動昇降
最小部品(0402)対応可
リールサイズ:~17インチリール
装置
サイズ
900(W) x 1,310(D) x1,940(H) mm 1,000(W) x 1,080(D) x 2,340(H) mm 870(W) x 890(D) x 2,250(H) mm
重量 650kg 1,030kg 360kg
事前登録 リール、部品共に不要 - 不要(セルフティーチング)
操作性初心者でも1時間半程度で習得できる - タッチパネルによる操作で簡単、見やすい