循環棚卸は、X線チップカウンターと同じように在庫管理や部品計数に関わる方法ですが、その技術や役割は異なります。X線チップカウンターがリール内の電子部品数を計測するのに対し、循環棚卸は在庫を保管場所や品目で分け、順次棚卸を行う方法です。この記事では、循環棚卸の概要やメリット、デメリットについてまとめました。
循環棚卸は、すべての在庫を一度に調べる「一斉棚卸」ではなく、在庫の場所、種類、作業日など特徴ごとに分けて順番に在庫数を調べていく方法です。
循環棚卸の流れはこちらです。
X線を照射して透過イメージを解析して計数するX線チップカウンターとは異なる在庫管理方法です。
循環棚卸は海外ではCycle Countingと呼ばれ、決算期に集中する一斉棚卸と異なり、年間を通じて少量ずつ在庫を確認します。SKU数が多い電子部品工場でも棚卸作業を日常業務に組み込みやすく、帳簿上の在庫と実在庫の差異を早期に見つけやすい点が特徴です。
循環棚卸と一斉棚卸の大きな違いは、在庫を確認するタイミングと対象範囲です。一斉棚卸は、決算期や月末などにすべての在庫をまとめて確認する方法です。倉庫全体や対象エリアを一時的に止めて作業するケースもあり、短期間で全体の在庫状況を把握しやすい一方、作業負担が大きくなりやすい方法といえます。
一方、循環棚卸は、保管場所や品目を分けて定期的に確認する方法です。一度にすべての在庫を数えるのではなく、対象範囲を絞って順番に確認するため、通常業務への影響を抑えながら在庫差異を確認できます。特に電子部品のように品目数が多く、リールや小型部品を多く扱う現場では、棚卸作業を日常業務に組み込みやすい点がメリットです。
ただし、循環棚卸は計画的に実施することが前提です。対象エリアや実施頻度、差異が出た場合の修正ルールを決めておかないと、在庫データの精度を維持しにくくなります。そのため、バーコードやRFID、在庫管理システムなどを活用しながら、継続的に管理できる体制を整えることが大切です。
| 比較項目 | 循環棚卸 | 一斉棚卸 |
|---|---|---|
| 実施方法 | 在庫の一部を場所や品目ごとに分け、定期的に確認する | 一定のタイミングで、対象在庫をまとめて確認する |
| メリット | 通常業務への影響を抑えやすく、在庫差異を早期に把握しやすい | 短期間で全体の在庫状況を確認しやすく、決算時の実在庫確認に使いやすい |
| デメリット | 実施頻度や対象範囲のルールを決めておかないと、管理が属人的になりやすい | 一時的に多くの人員や時間が必要になり、業務停止や作業負担が発生しやすい |
| 向いている現場 | 品目数が多く、日常的に在庫精度を保ちたい現場 | 決算や期末など、一定時点の全体在庫を確認したい現場 |
| 電子部品管理での活用 | リール部品や小型部品をエリアごとに確認し、差異を早期に修正しやすい | 全体在庫をまとめて確認できるが、部品点数が多い場合は作業負担が大きくなりやすい |
在庫の場所や種類を決めて作業できるので、対象となる場所以外の業務を止めることなく棚卸作業を行うことができます。
24時間稼働の実装ラインでも、生産計画を崩さず在庫精度の向上を目指せるため、出荷遅延やライン再立ち上げの負担を抑えやすい点が評価されています。
循環棚卸は短期間に商品や保管場所を限定して行うので、定期的に実施しやすく、在庫差異が発生した場合も早いタイミングで把握することができます。
在庫の種類、場所を限定して行うため、一度に大量の在庫を計数する必要がなく、少人数で実施しやすい点もメリットです。
バーコードスキャナやモバイル端末を活用すれば、日常業務の中で棚卸作業を進めやすくなり、作業者の負担軽減にもつながります。
高頻度で同じ棚やエリアを確認することで、差異の発生要因を早期に把握しやすくなります。帳簿上の在庫と実在庫のズレを小さい段階で修正できるため、欠品や過剰在庫の防止にもつながります。
循環棚卸は手作業で行う場面も多いため、カウントミスが発生する可能性があります。対象となる場所の入出庫は停止しますが、全体の入出庫が止まらないため、計数にズレが出る場合もあります。
スキャン漏れや二重入力を防ぐには、在庫管理システムに数量チェックを設定したり、カウント担当と入力担当を分けたりするなど、運用ルールを整える必要があります。
循環棚卸は頻繁に実施されることもあり、在庫データの正確さが求められます。在庫データが間違っていれば在庫差異が発生するため、大きな差異が続く場合は在庫管理方法を見直す必要があります。
ロケーション情報やロット情報をERPなどのシステムに登録し、部品の移動履歴を追跡できるようにしておくことも大切です。
循環棚卸は順番に行っていくため、すべて完了するまで時間がかかります。短期間で全在庫を確認したい場面には適していません。
決算時など、即時で全数を照合したい場面では、一斉棚卸やX線チップカウンターなどの高速計数機との併用を検討するとよいでしょう。
X線チップカウンターはリールを装置にセットし、透過イメージを解析して部品数を算出します。非接触・非破壊でカウントできるため、リールをばらさずに電子部品の数量を確認しやすい点が特徴です。対して循環棚卸は目視やバーコードスキャンを中心に在庫を確認するため、さまざまな在庫に対応しやすい一方、手作業によるミスが残る可能性があります。
在庫を金額や回転率でA/B/Cに分類し、A品は高頻度、B品は中頻度、C品は低頻度のように確認頻度を変えると、重要度の高い部品を優先しながら棚卸工数を抑えやすくなります。
まずはバーコード化によって部品情報を読み取りやすくし、さらなる効率化が必要な場合はRFIDの活用を検討します。手入力を減らすことで、記録ミスや確認漏れの削減につながります。
担当エリアをローテーションし、カウント担当と入力担当を分けることで属人化を防ぎやすくなります。チェックリストやアラートを活用し、誰が作業しても同じ手順で棚卸できる体制を整えることが重要です。
循環棚卸を導入する際は、棚卸工数、在庫差異の件数、差異金額などを確認し、導入前後の変化を把握することが大切です。数値で効果を確認することで、対象範囲や実施頻度の見直しもしやすくなります。
循環棚卸は在庫を種類や場所、日を分けて棚卸することで、他の業務を止めることなく少ない人員で作業しやすいメリットがあります。X線チップカウンターと同じように、在庫管理の効率化や正確性の向上につながる方法のひとつです。
電子部品に特化したX線チップカウンター、より広範囲で在庫管理ができる循環棚卸、それぞれの特徴をしっかり把握しておきましょう。
カウント速度を向上し業務効率化に大きく貢献するおすすめのX線チップカウンターをご紹介します。
| 大量の部品を扱い 計測数が多い企業なら |
高さがあるリールの 計測が必要な企業なら |
大型部品の製造が 中心の企業なら |
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|---|---|---|---|
| 企業名/製品名 |
スピーディーなカウントと 簡単な操作 KnK HAWKEYE2000 ![]() 画像引用元:KnK公式(https://knk-kk.jp/product/parts-mgmt/product-52/) |
計測部の自動昇降で 高い部品に対応 シンアペックス XQuik III ![]() 画像引用元:シンアペックス公式(https://shinapex.co.jp/news/denshi/product/xquik/xquik-iii/) |
17インチ直径の 大きなリールへ対応 アルファエレクトロニクス Assure ![]() 画像引用元:アルファエレクトロニクス公式(https://alphacorpjp.com/product/assure/) |
| 精度 | 99.9% | 99%以上 | 99.9% |
| カウント速度 | 6秒+出し入れ2秒 | 数秒 | 約10秒 |
| 対象 サイズ |
最小部品(0402)対応可 リールサイズ:7~15インチ |
最小部品(0402)対応可 撮像エリア:400 x 400 mm (リールステージ自動昇降) |
最小部品(0402)対応可 リールサイズ:~17インチリール |
| 装置 サイズ |
900(W) x 1,310(D) x1,940(H) mm | 1,000(W) x 1,080(D) x 2,340(H) mm | 870(W) x 890(D) x 2,250(H) mm |
| 重量 | 650kg | 1,030kg | 360kg |
| 事前登録 | リール、部品共に不要 | - | 不要(セルフティーチング) |
| 操作性 | 初心者でも1時間半程度で習得できる | - | タッチパネルによる操作で簡単、見やすい |